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精神病棟における退院時共同指導の評価

 新評価で精神障害にも対応した地域包括ケア構築を推進

精神病棟における退院時の多職種・多機関による共同指導等について、新たな評価「精神科退院時共同指導料」を設けることにより、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進する狙いがある。

算定要件としては、▽外来又は在宅療養を担う保険医療機関の多職種チームと入院中の保険医療機関の多職種チームが、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を共同で行った場合に算定できる▽共同指導に当たっては、2016-2018年度厚生労働行政推進調査事業で研究班が作成した「包括的支援マネジメント実践ガイド」を参考にするよう求めている▽外来を担当する医療機関の関係者のいずれかが、入院中の医療機関に赴くことができない場合には、ビデオ通話を用いて共同指導を実施した場合でも算定できる―などとなっている。

また、当該保険医療機関内に専任の精神保健福祉士を1名以上配置されていることが施設基準となっている。

精神病棟における退院時共同指導の評価

多職種が共同で退院支援を行う取組を巡っては、厚生労働省が2019年11月20日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の推進について、入院前からの退院時、退院後まで切れ目のない支援の重要性が示されていることに触れ、「入院医療機関と退院後の外来医療を行う医療機関等の関連する機関間で、多職種が共同で退院支援を行う取組等がなされている実態がある」と説明。これらの取組について「地域移行・地域定着支援に資するとされているが、現行では見合った報酬上の評価がなされていない」といった課題を示した。
こうした現状・課題を踏まえ、「入院医療から外来医療への円滑な移行を進め、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進する観点から、精神病棟における入院前から退院時までの多職種・多機関による共同指導等への評価のあり方についてどのように考えるか」と議論を促していた。

「包括的支援マネジメント 実践ガイド」も取り上げ、「精神障害者の地域生活支援を推進する政策研究」(2018年度厚生労働行政推進調査事業補助金)で、包括的支援マネジメントの支援内容を明らかにし、「包括的支援マネジメント 実践ガイド」を作成したことを説明。当該実践ガイドの支援内容から、「外来又は精神科デイ・ケアにおける精神保健福祉士等は組織内外の多職種連携・他機関連携に関する業務や患者との面談を行っている割合が高く、包括的な支援マネジメントの導入により、平均入院日数が減少し、地域での生活を維持できることが示唆された」との見解を示した。

具体的には、▽外来又は精神科デイ・ケアにおいて行われる具体的なマネジメントの内容は、連携業務(他機関連携、ケア会議等)が47.3%であり、患者との面談(関係性の構築、日常生活自立支援等)が35.2%で多い▽各群においてマネジメント前後で平均入院回数に有意な差があり、包括的支援マネジメントは平均入院回数の減少に寄与することが示唆された▽マネジメントを開始してからの年数が少ない群ほど、アウトカムである平均入院回数はより減少する傾向を示した-としていた。

精神科外来における多職種による相談支援・指導への評価

 多職種による共同のカンファレンス実施を求める

精神病棟に入院中に精神科退院時共同指導料1を算定した患者に対して、精神科外来で多職種による支援及び指導等を行った場合について、通院精神療法に加算する「療養生活環境整備指導加算」を新設した。

通院精神療法を算定する患者のうち、精神科退院時共同指導料1を算定した患者に対して、精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師、精神保健福祉士が、療養生活環境を整備するための指導を行った場合に、1年を限度として、月1回に限り250点を所定点数に加算できる。

実施に当たっては、多職種が共同して、3月に1回の頻度でカンファレンスを実施することが求められている。カンファレンスでは、患者の状態を把握した上で、多職種が共同して支援計画を作成する必要がある。支援計画の作成に当たっては、「包括的支援マネジメント実践ガイド」を参考にするよう求めている。

カンファレンスについては、当該患者の診療を担当する精神科の医師、保健師、看護師、精神保健福祉士のほかに、必要に応じて薬剤師、作業療法士、公認心理師、在宅療養担当機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの保健師、看護師、作業療法士などの多職種の参加が求められる。場合によっては、市町村、都道府県の担当者が参加する必要もある。

当該保険医療機関内に、当該指導に専任の精神保健福祉士が1名以上勤務していることと、保健師、看護師又は精神保健福祉士が同時に担当する療養生活環境整備指導の対象患者の数は1人につき30人以下であることが施設基準となっている。

精神科外来における多職種による相談支援・指導への評価

精神科外来における多職種による共同指導を巡っては、厚生労働省が2019年11月20日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、精神科外来通院患者の地域定着支援に関して、「精神保健福祉士等の多職種による包括的支援マネジメントが効果的であるとの知見が示されており、実際に外来へ多職種を配置し相談支援業務を行っている医療機関は多い」とした一方で、「外来において精神保健福祉士等が行う相談支援等の援助についての評価は限定的な場面に限られている」といった現状・課題を提示している。精神科外来医療において包括的支援マネジメントが重要であるとの観点を踏まえ、「精神科外来における多職種による相談・支援等に対しての評価のあり方について、どのように考えるか」と議論を促していた。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
個別改定項目について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000601838.pdf'
令和2年度診療報酬改定の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000616842.pdf
令和2年厚生労働省告示第57号 別表第1(医科点数表)<第2章>特掲診療料 第8部精神科専門療法
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603759.pdf
令和2年3月5日保医発0305第1号 別添1(医科点数表)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603981.pdf
令和2年3月5日保医発0305第3号
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603894.pdf
中央社会保険医療協議会 総会(第434回)個別事項(その10)(総-2)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000568660.pdf


執筆:CBホールディングス CBニュース編集部

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。