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超急性期脳卒中加算の施設基準の見直し

 薬剤師の常時配置等を施設基準から削除、算定要件で従事者間の連携を求める

「超急性期脳卒中加算」の施設基準と算定要件について、学会の指針の改訂や、安全性の向上等を踏まえ、人員配置や検査の体制に係る要件及び評価を見直した。また、地域の医療機関間で連携し、一次搬送された施設でrt-PA(アルテプラーゼ)を投与した上で、より専門的な医療機関に二次搬送を行って、入院治療及び管理を行う場合も算定できるよう見直した。

改定前の同加算は、施設基準として薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師の常時配置を課していたが、今回の改定では、これを削除し、コンピューター断層撮影、磁気共鳴コンピューター断層撮影等の必要な脳画像撮影及び診断、一般血液検査及び凝固学的検査並びに心電図検査が常時行える体制であることを求めている。その上で、「投与に当たっては、必要に応じて、薬剤師、診療放射線技師及び臨床検査技師と連携を図ること」という算定要件を追加した。
評価も見直しており、改定前は入院初日に12,000点を算定できたが、今回の改定では10,800点に引き下げた。

超急性期脳卒中加算の施設基準の見直し

 施設基準を指針に合わせるよう提案も

同加算を巡っては、2019年10月18日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、厚生労働省が、脳梗塞の超急性期治療を行う医療機関の基準の現状・課題について、▽脳卒中の急性期治療に関しては、脳梗塞に対するrt-PA療法が実施可能である発症後経過時間の延長や、急性期血管内治療の科学的根拠の確立等、治療技術の進歩が見られる▽脳卒中の急性期診療においては、単一の医療施設で、24時間専門的な診療を提供できる体制を確保することが困難な場合があることから、地域における複数の医療施設が連携し、24時間体制を確保することが求められるが、地域によって提供体制に差がある可能性も指摘されている▽日本脳卒中学会は、「rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法 適正治療指針第二版」に定める「治療を行う施設」の基準が厳格過ぎたことが、rt-PA療法が普及しない一因である可能性を考慮し、2016年9月に基準の改訂を行ったが、現状、超急性期脳卒中加算の施設基準はこれに対応していない-ことを示した。

また、「Drip and Ship法」を取り上げ、脳梗塞の急性期治療では、一次搬送された施設からより専門的な医療機関に二次搬送された割合は増加していることや、治療でrt-PAを投与する場合、発症から投与までの時間が短い方が患者の予後がよいことが知られており、rt-PAを投与した上で血管内治療等の専門的治療が可能な医療機関に搬送する方法(Drip and Ship法)が活用されていることを説明。「現行の超急性期脳卒中加算は、所定時間内にrt-PAを投与した場合に、入院料の加算として算定できることとなっていることから、Drip and Ship法を実施した場合は算定できない」との課題を示した上で、急性期脳梗塞の治療法の現状や地域の医療提供体制、学会による治療指針の改訂などを踏まえ、「治療を行う医療機関を適切に評価する観点から、超急性期脳卒中加算の施設基準や算定要件等を見直すことについてどのように考えるか」と議論を促していた。

2019年12月4日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会でも、厚生労働省は、rt-PA静注療法に伴う主な合併症である症候性頭蓋内出血の頻度をみると、市販後の調査において約1-3%と低い割合であったことや、rt-PA静注療法を実施しているが超急性期脳卒中加算を算定していない施設の回答では、「薬剤師の常時配置」「診療放射線技師及び臨床検査技師の常時配置」とした施設基準を満たせないことが算定できない理由として多く挙がっていたことを取り上げ、「これらの要件は日本脳卒中学会の指針では求められていない」と説明。このような状況を踏まえ、「施設基準を指針に合わせるように見直してはどうか」と提案していた。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
個別改定項目について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000601838.pdf
令和2年度診療報酬改定の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000616842.pdf
令和2年厚生労働省告示第57号 別表第1(医科点数表)<第1章>基本診療料 第2部入院料等
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603748.pdf
令和2年3月5日保医発0305第1号 別添1(医科点数表)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603981.pdf
令和2年3月5日保医発0305第2号
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000638414.pdf
中央社会保険医療協議会総会(第426回) 個別事項(その4)について(総-2)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000558746.pdf
中央社会保険医療協議会総会(第438回) 個別事項(その12)について(総-3)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000573373.pdf


執筆:CBホールディングス CBニュース編集部

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。