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2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

門前薬局の評価の見直し

大型門前薬局の評価、処方箋集中率で「適正化」

2018年度診療報酬改定では、「門前薬局」の評価が見直された。ポイントは、処方箋の受付回数と集中率を基に定められている調剤基本料の「特例範囲」の拡大と、同一敷地内の薬局に対する評価の見直しだ。薬局グループ全体の処方箋受付回数が4万回超のグループに属する保険薬局の一部は、新設の調剤基本料の対象となり、これまでよりも報酬が低く抑えられる。

薬局の処方箋応需の状況

「調剤基本料2」の特例範囲を見直す


大型門前薬局の評価の適正化を図った。薬局グループ全体の処方箋回数が月4万回超のグループに属する保険薬局のうち、特定の医療機関からの処方箋集中率が極めて高い保険薬局、または医療機関と不動産の賃貸借関係にある保険薬局の調剤基本料を引き下げた。

具体的には、「調剤基本料3-イ」(グループ全体4万回超から40万回以下、20点)の要件となっている処方箋集中率を10ポイント引き下げ「85%超」とした。新たに対象となる保険薬局は、事実上の報酬の引き下げとなる。また、「調剤基本料3-イ」よりも5点低い「調剤基本料3-ロ」(グループ全体40万回超)を新設した。処方箋集中率が85%超の薬局の調剤基本料が対象となる。

処方箋受付回数が1カ月当たり2000回超の「調剤基本料2」(25点)の特例の範囲も見直した。これまでは「処方箋集中率90%超」となっていたものを「処方箋集中率85%超」と改め、この基本料に該当する薬局の範囲を広げた。

いわゆる門前薬局等の評価の見直し①(特例の拡大)

「同一敷地内薬局」評価を見直し、「特別調剤基本料」新設


特定の医療機関との不動産取引の関係がある「同一敷地内薬局」に関する評価も見直し、「特別調剤基本料」(10点)を新たに設けた。保険医療機関(病院)と不動産取引など「特別な関係」にある保険薬局が対象で、この病院に係る処方箋による調剤の割合が95%を超えた場合、この基本料が適用される。

「同一敷地内薬局」の施設基準は、▽該当する保険医療機関と賃貸取引関係にある▽該当する保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している▽該当する保険医療機関に対し、会議室やその他の設備を貸与している▽該当する保険医療機関から開設時期の指定を受けて開局した―のいずれかに該当した場合となっている。

保険薬局の会議室などの設備については、厚労省は「特定の病院である保険医療機関に対する貸与時間の割合がそれ以外のものへの貸与時間全体の3割以上である場合」としている。ただし、災害などの発生により、緊急にやむを得ず貸与した場合は、この貸与に係る時間に含めないとの見解を示している。

 骨太の方針2017の方向性を踏襲


厚労省は、なぜ門前薬局の調剤報酬の適正化に向け、アクセルを踏み込んだのか。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2017」の方向性を踏襲する必要があったからだ。

骨太の方針2017では、調剤報酬について、薬剤の調製などの対物業務に係る評価の適正化を行うとともに、在宅や残薬解消などの対人業務を重視した評価を、薬局の機能分化の在り方を含め検討することを明記。この見直しに併せて、様々な形態の保険薬局が実際に果たしている機能を精査し、それに応じた評価をさらに進めるとした。

骨太の方針2017などを踏まえ、2017年11月16日に開かれた行政事業レビューでは、内閣官房行政改革推進本部事務局が「薬局数は近年増加し、機能や形態が多様化している」と指摘。「大型含む門前薬局が多数であり、面分業(様々な医療機関からの処方箋の受付)を行っている薬局は少数」「大手調剤チェーンが増加し、多店舗展開により収益率が高くなる傾向」といったことを挙げ、厚労省が目指すべき「かかりつけ薬局」が「実現しているとは言えないのではないか」と疑義を呈した。

厚労省も2018年3月30日、都道府県などに対し、「疑義解釈資料の送付について(その1)」の事務連絡を行い、処方箋集中率の周知を行った。「疑義解釈」では、保険薬局の1年間の処方箋受付回数が、「A医療機関が最も処方箋受付回数が多い」とするものとして、以下のケースを提示した。具体的な算出方法を示し、このケースの処方箋集中率は「9.5%」と回答している。
・A医療機関(歯科以外)=2000回
・A医療機関(歯科)=100回
・A医療機関以外=2万回


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(調剤)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197985.pdf
疑義解釈資料の送付について(その1)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000202132.pdf
●平成30年厚生労働省告示第43号 別表第3(調剤点数表)区分00
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196304.pdf
●平成30年厚生労働省告示第45号(第15調剤 1調剤基本料:P115)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196317.pdf
●平成30年3月5日保医発0305第3号(第88 調剤基本料:P194)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203034.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。