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2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

かかりつけ薬剤師の評価

かかりつけ薬剤師指導料、適切な評価で医療機能強化

2018年度診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師を推進する方向性を明確にした。「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」の診療報酬点数を上げた。同指導料の算定回数と算定薬局数は増えてきており、厚生労働省は、診療報酬上の評価を適切に行うことで、地域包括ケアシステムの構築や医療機能の分化・強化につなげたい考えだ。

かかりつけ薬剤師指導料の算定状況(2016年度)

 かかりつけ薬剤師指導料の施設基準見直しも


かかりつけ薬剤師指導料の算定回数と算定薬局数は徐々に増えてきている。厚労省は、2015年4月には20万枚だった算定回数が2016年3月には約4倍の100万枚近くに増えており、全処方箋枚数(7629万枚)の1.28%に相当することを指摘。疑義照会についても「かかりつけ薬剤師の方が医師との連携が図れていることがうかがえる」としている。

患者が選択した、かかりつけ薬剤師が、処方医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で、患者に対して服薬指導を行う業務については、「薬学管理料」として評価している。今回の改定では、「かかりつけ薬剤師指導料」を3点、「かかりつけ薬剤師包括管理料」を10点それぞれ引き上げた。

かかりつけ薬剤師・薬局の評価


「かかりつけ薬剤師指導料」を算定しようとした場合、薬剤師本人が、▽かかりつけ薬剤師の業務内容▽かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割▽かかりつけ薬剤師指導料の費用-などの事項を説明した上で、患者の同意を得る必要がある。

かかりつけ薬剤師の推進①


また、かかりつけ薬剤師に関する情報を文書で提供することも求められている。例えば、かかりつけ薬剤師の「経歴」「専門薬剤師資格」「修了した研修」「論文、学会発表の実績」などを挙げている。

今回の診療報酬改定では、「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」の施設基準について、該当する保険薬局における在籍期間の要件を見直した。これまでは在籍期間が「6カ月以上」となっていたが、「1年以上」とした。

また、1つの保険薬局に常勤している薬剤師が、育児・介護休業法に定める短時間勤務を行う際の例外規定を設けた。

 薬学的管理・指導、「一元的・継続的な関わりが重要」


厚労省は、かかりつけ薬剤師に何を求めているのか。厚労省保険局医療課が作成した「ライフステージにおける患者と薬剤師・薬局のかかわり(イメージ)」を見ると、かかりつけ薬剤師が患者に対し、どのような関わり方を求められているかが分かる。

厚労省は患者を乳幼児・小児期、成人期、中年期、高齢期・後期高齢期に分けた上で、「薬が上手く飲めない」「飲み忘れが多くなる」「家でも注射薬が必要」といったライフステージごとに患者が抱える課題に向き合い、健康相談や検診などの受診勧奨を行う必要性を指摘している。

また、残薬・副作用の共有や入退院時の情報共有、訪問看護師・ケアマネジャー、薬剤に係る提案、疑義照会などの多職種連携に加え、多剤服用の適正化や服薬アドヒアランスの確保、副作用の早期発見、家族への情報提供といった薬学的管理・指導などに対し、「一元的・継続的な関わりが重要」との見解を示している。

 疑義解釈で具体的な業務を提示


2018年度診療報酬改定に係る答申書の附帯意見では、服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導を行う、かかりつけ薬剤師の取組状況について、「調査・検証し、患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の在り方について引き続き検討すること」との注文が付けられた。

この附帯意見は、厚労省が2015年10月に策定した「患者のための薬局ビジョン」で示された「患者本位」の視点を踏まえたものだ。同ビジョンでは、かかりつけ薬剤師の意義について、「医薬分業の原点そのもの」と位置付けている。

患者が複数の医療機関・診療科を受診した場合でも、患者が日頃からかかりつけとなる薬剤師・薬局を選んで調剤を受けることで、「服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われ、医薬分業が目指す安全・安心な薬物療法を受けることが可能となる」としている。

厚労省は2018年3月30日、都道府県などに対し、「疑義解釈資料の送付について(その1)」の事務連絡を行い、「かかりつけ薬剤師指導料」について周知した。

患者が入手している調剤・服薬指導に必要な血液・生化学検査結果の提示に関する疑義解釈を掲載。患者の同意が得られた場合は、この情報を参考にして、薬学的管理や指導を行うとしたことを取り上げ、具体的に行う業務を提示した。

例えば、腎機能低下によって投与量の調整が必要な薬剤が処方されている患者に対し、腎機能検査結果(血清クレアチニン、推定糸球体濾過量)を参照するなどして、「用法・用量の適切性や有害事象の発現の有無を確認することが想定される」と記載。かかりつけ薬剤師は、患者から血液検査などの結果の提供がある場合、それを参考に薬学的管理・指導を行うことを明確化している。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(調剤)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197985.pdf
疑義解釈資料の送付について(その1)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000202132.pdf
●平成30年厚生労働省告示第43号 別表第3(調剤点数表)区分13の2,3
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196304.pdf
●平成30年厚生労働省告示第45号(第15調剤 11かかりつけ薬剤師:P123)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196317.pdf
●平成30年3月5日保医発0305第3号(第98 かかりつけ薬剤師:P206)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203034.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。