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2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

薬局における後発医薬品の使用促進

後発医薬品の調剤数量に応じた評価に

2018年度診療報酬改定では、後発医薬品の使用を促進する方向性を強く打ち出した。後発医薬品調剤体制加算について、後発品の調剤数量割合の基準を引き上げ、調剤数量に応じた評価に見直した。また、後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定を設けた。後発医薬品促進による医療費適正化について、薬局や薬剤師が担う役割の比重が増しそうだ。

後発医薬品の数量シェアの推移と目標

 調剤数量割合が著しく低い薬局に対する減算規定も


後発医薬品調剤体制加算の評価を見直した。後発医薬品の調剤数量割合の基準を引き上げ、調剤数量に応じた評価とした。調剤数量の割合について、これまでは「65%以上=18点」「75%以上=22点」の2つの区分としていたが、これを「75%以上=18点」「80%以上=22点」「85%以上=26点」の3つの区分とした。

後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局(20%以下)に対し、調剤基本料を2点減算する規定を設けた。ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局については、この減算規定は適用されない。

また、該当する保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、「やむを得ない場合」も、この減算規定を適用しない。やむを得ない場合とは、直近1カ月の処方箋受付回数のうち「先発用医薬品変更不可」のある処方箋の受付回数が5割以上となった場合である。

薬局における後発医薬品の使用促進

 医療費適正化施策の基本方針の改正も


なぜ、厚労省は診療報酬を改定し、後発医薬品の使用を促すのか。「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太の方針2017)」では、後発医薬品の使用割合を2020 年9月までに80%とし、「できる限り早期に達成できるよう、さらなる使用促進策を検討する」としたからだ。

こうした状況を踏まえ、厚労省は2017年12月19日、医療費適正化に関する施策についての基本的な方針を改正し、官報で告示した。後発医薬品の使用割合を2020年9月までに80%以上とすることを明記した。

今後、後発医薬品の使用促進をめぐって、どのような議論や検討が行われるのか。中央社会保険医療協議会は2018年2月7日付の「2018年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見」で、後発医薬品の使用促進について取り上げ、「数量シェア80%目標の達成に向けて、医療機関や薬局における使用状況を調査・検証し、薬価の在り方や診療報酬における更なる使用促進策について引き続き検討すること」としている。

2017年11月1日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会では、後発医薬品の使用促進をめぐって、支払側の委員と診療側の委員の意見が真っ向から対立する場面もあった。

支払側の委員は、後発医薬品調剤体制加算や後発医薬品使用体制加算が見直されるのは当然と指摘。後発医薬品の使用割合80%以上を目指す時代にあっては、処方箋にある後発医薬品への「変更不可欄」を見直すことを求めた。その一方、診療側の委員は、処方を変更できない患者もいることを挙げ、「変更不可欄」をなくすことに反対した。

後発医薬品の使用意向を尋ねた患者調査では、「少しでも安くなるのであれば使用したい」と「本日支払った金額よりも一定額安くなるのであれば使用したい」を合わせての使用意向が71.1%だった一方、「いくら安くなっても使用したくない」も12.1%あった。使用したくない理由(複数回答)については、「効き目(効果)や副作用に不安があるから」との回答が全体の61.9%を占めた。「使いなれたものがいいから」も44.8%であった。

ただし、患者が先発医薬品から後発医薬品に変更したきっかけは、「薬剤師からの説明」が約7割と最も多かった。このように、薬局に来た患者への働きかけで先発医薬品から後発医薬品への変更が進む可能性があるため、厚労省は薬局における後発医薬品調剤体制加算の要件を厳格化し、数量シェア80%の目標達成を目指す。

後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定についても、今後、厚労省の動向に注意を払う必要がある。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(調剤)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197985.pdff
平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成29年度調査)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000192295.pdf
平成30年厚生労働省告示第43号(別表第3(調剤点数表)00 注5、6)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196304.pdf
平成30年厚生労働省告示第45号(第15調剤 5後発医薬品調剤体制加算:P120、第7投薬 4外来後発医薬品使用体制加算:P73、)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196317.pdf
平成30年3月5日保医発0305第3号(第93 後発医薬品調剤体制加算:P233、第36の3 外来後発医薬品使用体制加算:P97)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203034.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。