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2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

後発医薬品使用体制加算の見直し

新たな数量シェア目標に対応

2018年度診療報酬改定では、医療機関における後発医薬品使用体制加算と外来後発医薬品使用体制加算について、新たな数量シェア目標を踏まえて要件を見直した。厚労省は、2016年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の結果を踏まえ、後発医薬品の使用割合の引き上げにつながる方策を打ち出したかたちだ。

 後発医薬品使用体制加算の区分を増やす


医療機関における後発医薬品使用体制加算については、これまでの「70%以上=42点」「60%以上=35点」「50%以上=28点」の3つの区分となっていたものを、「85%以上=45点」「80%以上=40点」「70%以上=35点」「60%以上=22点」の4つの区分とした。加算点数の幅を広げ、数量シェアの高い施設には、より加算されることになった。

外来後発医薬品使用体制加算についても、これまでの「70%以上=4点」「60%以上=3点」の2つの区分となっていたものを、「85%以上=5点」「75%以上=4点」「70%以上=2点」の3つの区分とし、要件を見直した。

2016年度の診療報酬改定では、医療機関における後発医薬品使用体制加算について、使用割合を引き上げて厳格化していた。また、院内処方を行っている診療所についても、後発医薬品の使用割合の高い診療所を評価するため、外来後発医薬品使用体制加算を新たに設けていた。

 後発医薬品使用体制加算、病院の算定割合が増加


なぜ厚労省は、後発医薬品使用体制加算の要件を見直したのか。その理由は、2016年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書」に示唆されている。

報告書によると、後発医薬品使用体制加算の算定状況(2016年6月末)をみると、有床診療所では「後発医薬品使用体制加算3を算定」が2.6%、「算定していない」が81.6%であった。病院に関しては、「後発医薬品使用体制加算1を算定」が16.2%、「後発医薬品使用体制加算2を算定」が5.6%、「後発医薬品使用体制加算3を算定」が2.2%、「算定していない」が72.3%だった。

これが1年後(2017年6月末)には、病院における「後発医薬品使用体制加算1を算定」が4ポイント増の20.2%、「後発医薬品使用体制加算2を算定」が0.9ポイント減の4.7%、「後発医薬品使用体制加算3を算定」が0.3ポイント増の2.5%となった。「算定していない」は3.8ポイント減の68.5%で、後発医薬品使用体制加算を算定する病院の割合が全体で増えていることが明らかになった。厚労省は要件の見直しを行うことで、病院の算定割合を増やせると考えたとみられる。

 外来後発医薬品使用体制加算に「伸びしろ」も


院内処方を行っている診療所における外来後発医薬品使用体制加算の算定状況については、「外来後発医薬品使用体制加算1を算定」が15.4%、「外来後発医薬品使用体制加算2を算定」が7.0%、「算定していない」が71.0%であった。算定をしていない診療所が7割超となっており、「伸びしろ」があることがうかがえる調査結果となった。


院外処方箋を発行していない施設の医師に対し、外来診療における後発医薬品の処方に関する考え方を尋ねたところ、診療所の医師では「薬の種類によって、後発医薬品を積極的に処方する」が51.5%で最も多く、次いで「後発医薬品を積極的に処方する」(22.2%)であった。

病院の医師は「後発医薬品を積極的に処方する」が44.2%で最も多く、薬の種類によって、後発医薬品を積極的に処方する」(40.4%)を上回った。また、「後発医薬品を積極的には処方しない」が診療所の医師では15.6%、病院の医師では11.5%であった。

 厚労省、医療費適正化の効果に期待


厚労省が医療機関における後発医薬品使用体制加算と外来後発医薬品使用体制加算の要件を見直した政策的な背景は何か。医療費適正化計画(第3期、2018-2023年度)では、外来医療費について、後発医薬品の使用促進(80%目標)や医薬品の適正使用などによる「医療費適正化の効果」を織り込んで推計するとの考えを示している。厚労省は「2023年度に0.6兆円程度の適正化効果額が見込まれる(その内、後発医薬品の使用促進による適正化効果額は0.4兆円程度)」と期待している。

厚労省は、後発医薬品への置き換えによる医療費適正効果額を推計している。後発医薬品の薬価ベースの実際の取引額と先発医薬品の薬価ベースの仮想の取引額の差を、後発医薬品への置き換えによる医療費適正化効果額としており、2005年度から2015年度までの医療費適正化効果額については「単調に増加」していると指摘。2015年度の医療費適正化効果額は「9400億円程度となっていると考えられる」としている。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(医科Ⅰ)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf
平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成29年度調査)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000192295.pdf
平成30年厚生労働省告示第43号(別表第1(医科点数表)<第1章>入院料等A243後発医薬品使用体制加算)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196287.pdf
平成30年厚生労働省告示第45号(35の3後発医薬品使用体制加算:P113)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196314.pdf
平成30年3月5日保医発0305第2号(第26の2後発医薬品使用体制加算:P56)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203033.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。