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2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

一般名処方加算の見直し

一般名による処方、後発品使用促進に効果も

2018年度診療報酬改定では、一般名処方加算の評価を見直した。一般名による処方が後発医薬品の使用促進に一定の効果があるとの調査結果などを踏まえた措置である。厚労省は一般名による処方を後押ししたい考えだ。

 一般名処方加算1・2の点数をそれぞれ2倍に


これまでは「一般名処方加算1」が3点、「一般名処方加算2」が2点となっていたが、「一般名処方加算1」を6点、「一般名処方加算2」を4点にそれぞれ引き上げた。

一般名処方加算をめぐっては、2016年度診療報酬改定で2つの区分とした。交付した処方箋に1品目でも一般名処方が含まれているケースでは「一般名処方加算2」を、後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方されている場合には「一般名処方加算1」を算定できる。処方時に後発医薬品の銘柄を記載した上で変更不可とする場合には、処方箋にその理由を記載することが求められている。

この見直しの伏線となったのは、2017年2月22日に開かれた中央社会保険医療協議会の診療報酬改定結果検証部会だった。この日の会合で、厚労省の担当者は、2016年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査を取り上げ、一般名処方による処方箋発行の状況などを説明した。

また、一般名で処方された医薬品の品目数の割合については、「増えている状況」と指摘。また、一般名で処方され、後発医薬品を調剤した割合についても「例年上がってきているという状況」との認識を示していた。

 一般名処方の品目数の割合はアップ


なぜ厚労省は、一般名処方加算が後発医薬品の使用促進に一定の効果があると判断したのか。その基になったのが、2016年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書」だ。

報告書には、2017年7月18日から24日までの1週間の取り扱い処方箋に記載された医薬品の品目数と対応状況別品目数の内訳を記載。それによると、調査対象となった品目数(514施設、総処方箋16万931枚に記載された41万8522品目数)のうち、「一般名で処方された医薬品の品目数」は14万6004品目で、全体の34.9%を占めた。

2016年10月の1週間を調査期間とした前回調査で明らかになった「一般名で処方された医薬品の品目数」の割合(31.1%)と比べて3.8ポイント上昇していた。

ただし、先発医薬品(準先発品)名で処方された医薬品の割合については、前回調査と比べて1.4ポイントしか減っていない。後発医薬品名の処方から一般名の処方に切り替わったものが増加分の過半を占めている。先発医薬品の処方から一般名の処方への切り替えが思うように進んでいない状況がうかがえる。


一般名処方の処方箋を持参した患者のうち、後発医薬品を調剤しなかったケースも調べた。後発医薬品を調剤しなかった理由については、「患者が後発医薬品を希望しなかったから」が64.7%で最も多かった。「後発医薬品の備蓄がなかったから」(16.8%)や「薬価収載された後発医薬品がなかったから」(3.0%)などの理由もあった。

一般名処方の処方箋を患者が持参しても、後発医薬品の備蓄がなければ、国による後発医薬品の使用促進は絵に描いた餅になりかねない。後発医薬品の備蓄状況はどうなっているのか。

報告書によると、全医薬品の備蓄品目数(2017年6月)は、前年同月比3.7%増の1074品目だった。このうち後発医薬品の備蓄品目数は前年同月比11.0%増の329.7品目で、全医薬品の備蓄品目数の増加率を大幅に上回っている。先発医薬品よりも後発医薬品の備蓄を優先している傾向がうかがえる。


 一般名処方の処方箋発行、コストや業務への影響懸念も


報告書には、2017年4月以降、院外処方箋を発行している病院における一般名処方による処方箋発行の対応状況も記載されている。それによると、一般名処方による処方箋を「発行している」が全体の61.9%を占めた。「発行を検討している」は5.1%、「発行していない」は29.3%だった。参考として掲載されている2016年度の調査結果と比べると、病院において「発行している」が59.6%だったことから、2.3ポイント上昇していることになる。


一般名処方による処方箋を発行していない理由(自由記述式)も記載している。「運用する手間に比べてコストが見合わない」「院内採用薬の薬剤マスタと院外薬剤のマスタを作成しなければならず、業務が煩雑」「医師等が不慣れで混乱を避けるため」といったコストや業務への影響を懸念する回答もあった。

また、「ソフトがオーダリングシステムに対応していない」との回答もあり、調査結果もこれを裏付けている。一般名処方対応オーダリングシステムを導入している施設は、81.7%が一般名処方による処方箋を「発行している」としているが、非導入施設では、これが48.2%まで下がっている。一般名処方による処方箋発行の促進は、オーダリングシステムの導入と密接につながっているといえそうだ。



【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(医科Ⅰ)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf
平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成29年度調査)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査報告書
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000192295.pdf
平成30年厚生労働省告示第43号(別表第1(医科点数表)<第2章>第5部 投薬 F400 注7一般名処方加算)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196292.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。