minkweb 2020年度版はこちら
minkweb menu
2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

DPC制度(DPC/PDPS)の見直し

後発医薬品使用体制加算にDPC対象病棟入院患者を追加

DPC制度(DPC/PDPS)における後発医薬品係数の見直しに伴い、後発医薬品使用体制加算の対象にDPC対象病棟入院患者を追加し、評価対象患者を拡大した。DPC対象病棟入院患者にも後発医薬品使用体制加算が算定可能となったことから、DPC対象病院の外来処方でも後発医薬品の採用が進みそうだ。

 入院医療、「後発医薬品の使用割合は高い」


DPC制度(DPC/PDPS)をめぐっては、2012年度の改定から実施した調整係数の置き換えが完了するため、医療機関別係数の再整理を行った。後発医薬品使用体制加算の対象にDPC対象病棟入院患者を追加した背景には、この再整理がある。

基礎係数(医療機関群)については、これまでの3つの医療機関群の設定方法と、4つの評価基準(DPC特定病院群)、機能評価係数Ⅰについては従来の評価手法をそれぞれ継続した。

その一方で、機能評価係数Ⅱについては、後発医薬品係数、重症度係数を整理・廃止し、▽保険診療係数▽地域医療係数▽効率性係数▽複雑性係数▽カバー率係数▽救急医療係数の6係数を基本的な評価軸に位置付け、係数評価内容の見直しを行った。

なぜ厚生労働省は、DPC制度(DPC/PDPS)における後発医薬品の使用促進をさらに進めようとしているのか。厚労省は「DPC対象病院においては、機能評価係数Ⅱによる後発医薬品使用促進の効果から、入院医療における後発医薬品の使用割合は高い」と指摘している。

ただし、後発医薬品使用体制加算によって評価される外来を含めた医療機関の後発医薬品使用については、「入院と比較すると取組が十分でない(外来48%)と考えられる」としている。

こうした状況を踏まえ、厚労省は、後発医薬品使用体制加算の対象にDPC対象病棟入院患者を追加し、DPC対象病院においても、この加算を機能評価係数Ⅰによる評価対象にすることを決めた。これにより「DPC対象病院における外来の後発医薬品使用の取組をさらに推進する」との方向性を示している。

 後発医薬品使用は機能評価係数Ⅰで評価


後発医薬品の使用を機能評価係数Ⅰによる評価対象とする方向性について、厚労省は2017年7月5日に開かれた中央社会保険医療協議会の診療報酬基本問題小委員会で示していた。

厚労省は、診療報酬改定ごとに機能評価係数Ⅱに新たな評価軸を追加した場合、「医療機関別係数の大きな変動につながる可能性があり、制度の安定的な運用にはそぐわないのではないか」と疑義を呈した。

機能評価係数Ⅱの導入後に追加された後発医薬品係数、重症度係数については「やや趣旨が違うので再整理が必要ではないか」と指摘。後発医薬品係数については、後発医薬品使用が同様に出来高報酬で評価されていることを挙げ、機能評価係数Ⅰに置き換えることを提案した。診療報酬基本問題小委員会は、こうした検討方針を了承した。

これを受け、中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)は、2017年12月までにDPC制度(DPC/PDPS)の対応案をまとめた。機能評価係数Ⅱの後発医薬品係数については、「導入した結果、後発医薬品の使用促進に有効であったと考えられた」とする一方、「DPC対象病院においても後発医薬品使用については機能評価係数Iにおいて評価すべきと考えられた」とした。

その理由については、後発医薬品係数が多くの施設で上限値となっており、一定の役割を果たしたことや、出来高報酬で後発医薬品使用を評価した加算(後発医薬品使用体制加算)が導入されていることなどを挙げていた。


 2016年度分の集計、後発品の使用状況を公開


今後、DPC対象病院で後発医薬品の使用が進むのか。機能評価係数の見直しに加え、公開データの拡充が鍵を握りそうだ。DPC評価分科会はDPC公開データ(2016年度分の集計)について、後発医薬品の使用状況を公開するよう求めた。

DPC公開データでは、DPC対象病棟などで入退院を行うデータに限定した集計結果を明らかにしている。DPC評価分科会は「データの利活用の観点から、後発医薬品の使用状況や、薬剤耐性対策に係る指標(特定抗菌薬の使用状況)等、診療プロセスについてのデータの公開も重要と考えられた」とした上で、「公開することが適切」との判断を示していた。

これを受け、厚労省は2018年3月6日に開かれたDPC評価分科会で、2016年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果を報告した。その中で、DPC対象病院(約3500施設)の後発医薬品の使用割合(一般病棟のみ)を明らかにした。

それによると、後発医薬品の使用割合が100%に達している病院がある一方で、10%に満たない病院があるなど、病院間で格差があることが浮き彫りになった。厚労省は、機能評価係数Ⅰを活用してDPC対象病院における後発医薬品の使用を後押ししたい考えだ。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(医科Ⅰ)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf
平成30年度診療報酬改定の概要DPC/PDPS
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197983.pdf
平成28年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000196043.html

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。