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2018年度診療報酬改定 2020年度版はこちら

関係機関の連携強化に向けた退院時共同指導料の見直し

退院時共同指導料の評価対象職種を追加

患者が入院中の医療機関と在宅療養を担う医療機関を評価する「退院時共同指導料」について、医師・看護職員以外の医療従事者などが共同指導する場合も評価対象となるよう見直した。入院中の患者が退院後に安心して療養生活を送ることができるように、関係機関間の連携を推進する狙いがある。

 薬剤師や理学療法士などを追加


「退院時共同指導料1」(在支診1500点、在支診以外900点)と「退院時共同指導料2」(400点)の評価対象職種に、▽薬剤師▽管理栄養士▽理学療法士▽作業療法士▽言語聴覚士▽社会福祉士を加えた。

「退院時共同指導料」は、退院前に入院している医療機関と患者の在宅療養を担う医療機関を評価している。双方の医療者が共同で指導や説明を行い、患者が退院した後の診療などの療養に必要な情報を提供した場合、評価の対象となる。在宅側の医療機関は「退院時共同指導料1」、入院中の医療機関は「退院時共同指導料2」を算定できる。

今回は「退院時共同指導料1」と「退院時共同指導料2」の算定要件を見直した。「退院時共同指導料1」の算定要件は、「退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導」について、退院後の在宅療養を担う医療機関の医師、看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、社会福祉士が入院中の医療機関の医師、看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、社会福祉士と共同して行い、文書で情報提供した場合、入院中1回に限り、退院後の在宅療養を担う医療機関側で算定できる。

「退院時共同指導料2」の算定要件は、「退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導」について、患者が入院中の医療機関の医師、看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、社会福祉士と退院後の在宅療養を担う医療機関の医師、看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、社会福祉士が共同して行い、文書で情報提供した場合、入院中1回に限り、入院中の医療機関側で算定できる。

また、「退院時共同指導料2」のうち、入退院支援加算を算定する患者に係る退院後の診療などの療養に必要な情報に対する評価について、「自宅以外の場所に退院する患者も算定可能とする」とした。

 医療機関の算定回数は伸び悩み


退院時の共同指導をめぐっては、2017年12月6日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、厚労省が課題を挙げていた。課題の1つが、退院時の在宅で療養を担う医療機関と入院医療機関との共同指導の実施者が医師と看護師に限定されており、3者以上の関係者が集まって行う場合についても、介護系サービスで算定可能となっていたのは介護支援専門員だけだった。

もう1つの課題は、「退院時共同指導料1」と「退院時共同指導料2」の算定回数だった。厚労省は、同1と同2ともに「横ばい又は微増」と指摘している。共同指導を算定する医療機関数が伸び悩んでおり、在宅療養への移行を後押しする必要があった。

介護支援専門員が退院時の医療機関との連携についても、退院時のカンファレンスが「医療機関の都合に合わせた訪問日程の調整が難しい」との回答が多いことも課題に挙げていた。

また、在宅療養支援診療所が、退院時共同指導などの退院支援のカンファレンスに参加する場合、診療所に所属している社会福祉士も参加しているケースが少なくなかった。こうした状況を踏まえ、日本医療社会福祉協会は2017年5月30日付で、2018年度診療報酬改定に関わる要望書を厚生労働省保険局長に宛てて提出。在宅療養支援診療所の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の「退院時共同指導料」における評価について、社会福祉士を追加するよう求めていた。

「職員確保できず、十分な退院調整ができない」


厚労省も、退院支援の積極的な取組や促進などについて、2017年度入院医療等の調査(施設票)を取り上げ、C票(療養)とD票(障害者施設)に関して、「退院支援に係る職員数が確保できないため、十分な退院調整ができない」という回答が多かったことを指摘していた。こうした状況などを改善しようと、厚労省は、医師・看護師以外の医療従事者などが共同指導する場合も評価対象となるよう見直すことが必要と判断した。

今回の改定で「退院時共同指導料」の対象職種が増えたが、今後、他の課題も議論する必要がありそうだ。課題の1つとみられるのが「退院時共同指導料」の算定回数だ。日本訪問看護財団は2017年7月24日付で厚労省保険局長に宛てた要望書を提出していた。

要望書では、この加算が入院中に1回(特別管理加算の対象者は2回まで)しか算定できないことを指摘。NICU(新生児集中治療室)などを退院する小児については、1回当たりの時間がかかることや、回数も3回以上、しかも複数の訪問看護ステーションがかかわる実態があることに触れ、加算の回数を5回まで増やし、また、1ヶ所に限らず各ステーションが算定できるように求めていた。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(医科Ⅰ)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf
平成30年度診療報酬改定について 1.個別改定項目について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000193708.pdf
中央社会保険医療協議会 総会(第376回) 入院医療(その8)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000187182.pdf
日本医療社会福祉協会 平成30年度診療報酬改定に関わる要望書
http://www.jaswhs.or.jp/upload/Img_PDF/305_Img_PDF.pdf
日本訪問看護財団 平成30年度診療報酬(訪問看護療養費等)の改定に関する要望について
http://www.jvnf.or.jp/newinfo/youbou/youbou20170724.pdf
平成30年厚生労働省告示第43号(別表第1(医科点数表)<第2章>医学管理等 B004退院時共同指導料1、B005退院時共同指導料2:P18)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196288.pdf
平成30年3月5日保医発0305第1号(別添1(医科点数表)B004退院時共同指導料1、B005退院時共同指導料2:P143)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205632.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。