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医療安全対策加算における医療安全対策地域連携加算の新設

入院初日に「加算1」は50点、「加算2」は20点

医療安全対策加算に「医療安全対策地域連携加算」を新設した。「医療安全対策地域連携加算1」は50点(入院初日)、「医療安全対策地域連携加算2」は20点(同)となっている。同時に医療安全対策加算の既存の点数についても見直した。

 医療安全対策加算の点数見直しも


新設された「医療安全対策地域連携加算1」の施設基準は、▽特定機能病院以外の保険医療機関であること▽医療安全対策加算1の届出を行っていること▽医療安全対策に3年以上の経験を有する専任の医師又は医療安全対策に係る適切な研修を修了した専任の医師が医療安全管理部門に配置されていること▽医療安全対策加算1の届出医療機関及び医療安全対策加算2の届出医療機関それぞれについて医療安全対策に関して評価を実施。また、当該医療機関についても医療安全対策に関する評価を受けていること―となっている。

「医療安全対策地域連携加算2」の施設基準は、▽特定機能病院以外の保険医療機関であること▽医療安全対策加算2の届出を行っていること▽医療安全対策加算1の届出医療機関から医療安全対策に関する評価を受けていること―となっている。

既存の医療安全対策加算の点数も見直された。医療安全対策加算は、組織的な医療安全対策を実施している保険医療機関を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定できる。

医療安全対策加算1については、▽当該保険医療機関内に医療安全対策に係る適切な研修を修了した専従の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置されていること▽当該保険医療機関内に医療安全管理部門を設置し、組織的に医療安全対策を実施する体制が整備されていること▽当該保険医療機関内に患者相談窓口を設置していること―が施設基準となっている。医療安全対策加算1の点数は改定前と変わらず85点とした。

医療安全対策加算2については、施設基準はほぼ同じだが、医療安全管理者に関しては、医療安全対策に係る研修を受けた「専任」の薬剤師、看護師等となっている。医療安全対策加算2の点数は、改定前は35点だったが改定後は30点とした。

 「届出の医療機関が増加傾向」


医療安全対策加算の評価の見直しに関しては、2017年10月11日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、その方向性が議論された。この日の総会で、厚労省は、▽医療事故調査制度▽特定機能病院における医療安全対策強化のための承認要件の見直し▽医療安全管理部門への医師の関与―などについて説明した。

また、診療報酬の医療安全対策加算の取扱の現状に関して、一定の研修を受けた専従又は専任の薬剤師、看護師等などが医療安全管理者として配置されていることを診療報酬上、評価していることなどを挙げた。また、算定件数などにも触れ、「基本的には届出の医療機関が増加傾向にある」とした。

その上で、医療安全対策における課題と論点を示した。具体的には、医療安全対策として、医療機関において死亡・死産事例が発生した際、医療機関の管理者が制度で定義されている医療事故に該当するか判断し、該当すると判断した場合、医療機関は遺族への説明、医療事故調査・支援センターへ報告する医療事故調査制度が2015年10月から始まったことや、2016年6月の医療法施行規則改正において、特定機能病院の承認要件の見直しが行われ、特定機能病院において専従の医師、薬剤師及び看護師を配置した医療安全管理部門の設置が義務付けられたことを挙げた。

また、特定機能病院以外の医療機関においても、「医療安全管理部門に医師が専従で関与することにより、医療事故調査における有効な再発予防策の立案など、より高度な医療安全体制に係る指標が有意に増加することが示されている」とした。

診療報酬上の評価についても説明していた。改定前の診療報酬では「医療安全対策加算で、医療機関におけるより高度な医療安全体制を評価しており、約3500の医療機関が算定している」とした一方、「医師の配置は要件となっていない」といったことも挙げた。

そして「論点案」として、「医療機関における医療安全対策推進の観点から、専従の医師、薬剤師及び看護師等を医療安全管理部門に配置している場合について、医療安全管理者の配置の現状も踏まえつつ、医療安全対策加算の評価の見直しを検討してはどうか」と提案した。

全国の医療安全管理部門の医療安全管理者(医師以外)に実施したアンケート調査についても、この日の総会で議論された。厚労省の説明資料では、「医療事故調査において有効な再発予防策を立案しているか」の項目で、医療安全管理部門に専従で配置されている職種が「医師」である病院は、「薬剤師もしくは看護師」である病院に比べて、「統計学的に有意に、2.3倍、医療事故調査において有効な再発予防策を立案している」ことを示唆するとしていた。診療報酬上の評価について、総会の委員からは「医療従事者の働き方やチーム医療とか医療安全の観点からは、人への手当てという意味では大変重要だが、医師の専従をうたわなければならないかどうかについては、検討の余地がある」といった意見も出ていた。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(医科Ⅰ)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf
中央社会保険医療協議会総会(第363回) 個別事項(その3:救急、小児・周産期等)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000180265.pdf
平成30年厚生労働省告示43号 別表第1(医科点数表)<第1章>入院料等 A234 医療安全対策加算
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196287.pdf
平成30年厚生労働省告示第44号 29 医療安全体制加算
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196314.pdf
平成30年3月5日保医発0305第2号 第20 医療安全対策加算
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205633.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。