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情報通信技術(ICT)を活用した関係機関連携の推進

要件を緩和し連携会議などでICTの活用を可能に

関係機関間や医療従事者間の効率的な情報共有・連携を促進する観点から、感染防止対策加算や退院時共同指導料等について、連携会議や情報共有等に情報通信技術(ICT)を活用することができるよう、要件を見直した。

 対面でのカンファレンスを求めている評価が対象


対面でのカンファレンスを求めている評価について、各項目で求めている内容や地理的条件等を考慮し、一定の条件の下でICTを用いたカンファレンスを組み合わせて開催できるようにした。

要件緩和の対象となったのは、▽感染防止対策加算▽入退院支援加算1▽退院時共同指導料1の注1、同2の注1/退院時共同指導加算(訪問看護療養費)▽退院時共同指導料2の注3▽ハイリスク妊産婦連携指導料1、同2▽在宅患者緊急時等カンファレンス料/在宅患者緊急時等カンファレンス加算(訪問看護療養費)▽在宅患者訪問褥瘡管理指導料▽精神科在宅患者支援管理料/精神科重症患者支援管理連携加算(訪問看護療養費)。

厚労省はICTを用いた場合の留意事項を提示している。在宅患者緊急時等カンファレンス料については、「当該カンファレンスは、関係者全員が患家に赴き実施することが原則である」とする一方、やむを得ない事情により参加できない場合は、「リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて参加した場合でも算定可能である」としている。

保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していることを挙げている。

 医療資源が少ない地域のケースも提示


厚労省は、ICTを用いてカンファレンス等に参加する場合の要件を示している。感染防止対策加算(施設基準)については、感染防止対策加算1届出医療機関の感染制御チームと感染防止対策加算2届出医療機関の感染制御チームとの年4回程度の定期的なカンファレンスのうち、主として取り上げる内容に関わる感染制御チームの構成員は、対面で参加していること、4回中1回以上は両チームが一堂に会し直接対面するカンファレンスを行っていること、感染制御チームを構成する各職種が4回中2回以上直接対面するカンファレンスに参加していることを挙げている。

感染防止対策加算1届出医療機関または感染防止対策加算2届出医療機関のいずれかが医療資源の少ない地域に属する場合、主として取り上げる内容に関わる感染制御チームの構成員は、対面で参加していること、感染制御チームを構成する各職種が4回中1回以上直接対面するカンファレンスに参加していることを要件とした。

入退院支援加算1(施設基準)については、連携機関との年3回の面会のうち、1回はICTを活用できる。また、入退院支援加算1を届け出る医療機関または連携機関のいずれかが医療資源の少ない地域に属する場合、連携機関との年3回の面会全てでICTを活用できる。

退院時共同指導料1、同2の注1(算定要件)については、患者の退院後の在宅療養を担う医療機関、訪問看護ステーションまたは入院中の医療機関のいずれかが医療資源の少ない地域に属する場合、在宅療養担当医療機関または訪問看護ステーションの担当者がICTを用いて共同指導できる。

退院時共同指導料2の注3(算定要件)については、在宅療養担当医療機関等のうち2者以上が、患者が入院中の医療機関に赴き共同指導する場合、在宅療養担当医療機関等の関係者のいずれかがICTを用いて参加することができる。

ハイリスク妊産婦連携指導料1、2(算定要件)については、患者への治療方針などに係るカンファレンス(概ね2カ月に1回程度の頻度)に参加するそれぞれの従事者が、当該患者に対するハイリスク妊産婦連携指導料を算定する期間中、少なくとも1回は直接対面で実施するカンファレンスに参加している場合、関係者のうちいずれかがICTを用いてカンファレンスに参加することができる。

在宅患者緊急時等カンファレンス料(算定要件)については、当該カンファレンスに3者以上が参加するとき、当該3者のうち2者以上は、患家に赴きカンファレンスを行っているときという条件のいずれも満たす場合、関係者のいずれかがICTを用いてカンファレンスに参加することができる。関係者のうちいずれかが医療資源の少ない地域に属する場合、当該カンファレンスを当該月に2回実施する場合の2回目のカンファレンスのとき、当該2回目のカンファレンスに3者以上が参加するとき、当該2回目のカンファレンスに3者以上が参加するときにおいて、当該3者のうち1者以上は、患家に赴きカンファレンスを行っているときという条件のいずれも満たす場合、関係者のいずれかがICTを用いてカンファレンスに参加することができる。

在宅患者訪問褥瘡管理指導料(算定要件)については、当該カンファレンスに、当該保険医療機関から在宅褥瘡対策チームの構成員として複数名参加するとき、当該保険医療機関の在宅褥瘡対策チームの構成員のうち、1名以上は患家に赴きカンファレンスを行っている―ときという条件のいずれも満たす場合、当該医療機関の在宅褥瘡対策チームの構成員は、ICTを用いてカンファレンスに参加することができる。

精神科在宅患者支援管理料2のイ(算定要件)については、チームの構成員全員が、月1回以上当該患者に対するカンファレンスに対面で参加しているとき、保健所または精神保健福祉センター等と共同して会議を行うときに、チームの関係者全員が一堂に会することという条件を満たせば、関係者のいずれかがICTを用いてカンファレンスに参加することができる。関係者のうちいずれかが医療資源の少ない地域に属する場合、関係者全員が一堂に会し当該患者に関するカンファレンスを1回以上実施した後は、関係者のうちいずれかがICTを用いてカンファレンスに参加することができる。

精神科在宅患者支援管理料2のロ(算定要件)については、関係者全員が6カ月に1回以上の頻度で一堂に会し対面で当該患者に対するカンファレンスを実施している場合、その間の月のカンファレンスについて、関係者のうちいずれかがICTを用いて参加することができる。

「医療と介護の連携に関する意見交換」で議論


連携会議や情報共有におけるICTの活用をめぐっては、2017年4月19日に開かれた中央社会保険医療協議会の「医療と介護の連携に関する意見交換」で、その方向性が議論されていた。

委員からは「多職種が忙しい中で一堂に会すというのはなかなか難しいこともある」「入退院時における居宅介護支援事業者と医療機関との連携に関するカンファレンスは、医療機関の都合に合せた訪問調整が必要となることは、介護事業者は困難を感じている」と現状が報告された。

2017年11月1日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、厚労省は、ICTを活用した関係機関連携の推進に関する課題について、「医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬上の緩和は、人員配置が主となっており、関係機関の連携に関するものはない」と説明した。

その上で、対面でのカンファレンスを求めている評価について、「各項目で求める内容や地理的条件等を考慮し、対面をICTで補うことにより効率的な会議開催となるよう、ICTを組み合わせる場合の会議の開催回数や対象者等に関する要件を弾力化してはどうか」と提案していた。


【参考にした厚生労働省のホームページ】
平成30年度診療報酬改定の概要(医科Ⅰ)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf
平成30年3月5日保医発0305第1号(退院時共同指導料、ハイリスク妊産婦連携指導料、在宅患者緊急時等カンファレンス料、在宅患者訪問褥瘡管理指導料、精神科在宅患者支援管理料)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205632.pdf
平成30年3月5日保医発第2号(感染防止対策加算、入退院支援加算)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205633.pdf
平成30年3月5日保医発0305第4号(退院時共同指導加算、在宅患者緊急時等カンファレンス加算、精神科重症患者支援管理連携加算)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000203038.pdf
中央社会保険医療協議会総会(第375回) 横断的事項(その5)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000188847.pdf
中央社会保険医療協議会医療と介護の連携に関する意見交換(第2回)【テーマ4】関係者・関係機関の調整・連携
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000162531.pdf

執筆:株式会社CBコンサルティング

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。